青少年育成団体の理不尽な思い_その3

我々のテーブルに翠ジンソーダが届く。

私「Aさんどうしちゃったんですか?昔はバカ話ばかりしていたのに…。」

A氏「もちろんバカ話はするよ。気が付いたら気が短くなったというか、瞬間湯沸かし器みたくなってな。俺は多少のことでは怒らない。ってか、青少年育成団体で叱る時もあったけど、しつこくネチネチ何回も叱らなかった。ってか当時は子供たちの物分かりが良かったというのもあったし親御さんたちに救われた。

今までの親御さんたちは真剣というか熱心だったよ。」

私「…………。」

A氏「今までの親御さんは子供を送り迎えしたら、挨拶してきてくれて『よろしくお願いします』とか『ありがとうございました。さようなら』とか普通だったよ。それから家庭や学校でのお子さんの話も聞けて部門のマネジメントにつながるわけだし。」

私「そうだったのですか。私はてっきり世間話が好きなのかと…」

A氏「あのなあ……。肝心な話を引っ張り出すなら挨拶というか世間話みたいなのから入るのがスジだろ。デールカーネギーの本を読めよ。コミュニケーションの参考になるぞ。」

私「そうですか。今度本屋で見てみます。」

A氏「おいおいw今の時代ネットというものがあるんだぜ(なんでここでカッコつけんだよw)。本屋に行く前にデールカーネギーがどんな人物像だとか、その人が書いた本がどういう場面で役立っているか調べることができるだろ?」

私「ははは、そうでしたね(^_^;)」

スマホで検索してみるとビジネス本みたいだな。っていうか、ビジネスだけでなく我々の仕事などいろいろ応用が効く。若い頃イヤだった飲みニケーションなんて足元にも及ばない。

私「これ凄いですね。Aさんが薦めるの納得しますよ。」

A氏「そしてさっきのデカライターが話のネタ元ね。カウンター的だけど。」

私「そうですね。他にどんな感じで話のネタを見つけるんですか?」

A氏「たとえば、私君の身につけているスマートウォッチとかメガネとか…。ただ見ているだけでなく分かっていても『これどこで買ったの?』とか『使ってみてどうなの?』とか話できるやん。多分、私君も知らないうちにやっているんじゃないかなあ。」

翠ジンソーダを飲みながらタバコに火を着けるA氏。吐いた煙が店の天井に広がっていく。

そして「すいませーん!翠ジンソーダおかわり!」

続く