心霊現象

これは自分が小学生の頃の話。

当時、自分は町内のソフトボールチームに入っていて、年に何回かチームでチームの監督の家でお泊まり会をしていた。その監督の家はとても広く、例えるならお寺みたいな感覚の敷地と建物だった(本当のことを言うとバレてしまうので言えません)。監督の家は自宅に岩風呂があり楽しみの1つだった。また、当時お世話になった監督はソフトボールチームの他女子のバレーボールチームの監督と子供会の会長をしていてバレーボールチームの女子も男子とは違う日程で監督の家でお泊まりをすることがあった。

更に夏休みになると監督の家で子供会のイベントである肝試し大会に参加したりして、実際にコースを回る順番が来るまで広い居間で怪談話を聞いて過ごしたものです。今回はその時に聞いた話。

その監督の家は古く明治時代(?)からあるようで、当時監督の家の隣に高等女学校があったそうだ。時代が進むにつれ、その高等女学校は現代と同じ学校名になりやがて現在地に移転したそうだ。

移転する際、一部学校の倉庫を買い取り移築して家の一部にして改装し現在に至る。その改装された元倉庫は自分が小学生の頃はコミック本だらけのマンガ図書館として子供たちの憩いの場になったり、お泊まり会では子供たちの寝室となっていた。

この部屋は元倉庫であった資材をすべて流用しており、窓ガラスは女学校時代の名残がある。窓ガラスをよく見ると1枚ずつ「○女(○はバレてしまうので失礼)」と女学校の通称名が彫られていた。

その部屋に男子が宿泊すると何もないのだが、女子が宿泊すると決まって必ず女性の幽霊が出現して、心霊現象が発生したらしい。いつ女子を宿泊させても毎年決まって心霊現象が起きる。

あまりにも騒がしいのでお祓いをしても効果なし。仕方ないので女子だけは別の部屋で宿泊させることとなった。

あれからかなりの年月が経つのだが、監督はとっくにチームの監督を辞めて子供会の会長も辞めて余生を過ごしていると思う。そういえば成人してから監督の家を見に行っていない。監督は子沢山の人できっとその子供の誰かがその家を維持しているのだろうと思う。